どうも。恵比寿ワインマートEC部の西岡です。
のど飴に凝ってます。
最近、少し咳があったので必要にかられて買い始めたのですが、色々試しているうちに楽しくなっちゃって。
ハーブが効いたもの、トローチっぽいもの、蜂蜜系・・・各社が工夫した味の違いを比べるのが面白くなりました。こうした味わいのバランスの妙って、ワインにも通じるなと感じます。
ちなみに、レモン風味の飴のように爽やかな酸味を持つワインは、魚介などの軽やかな料理と好相性。
蜂蜜系の飴のようにまろやかな甘みが広がるワインは、コクのある料理にぴったりです。
ではでは、こんなワインの場合には、皆さんはどんな料理に合うと思いますか?
メルロ100%のボルドー赤ワイン。ボルドーではあまり数の多くない自然派のワインです。
では、テイスティングコメントを書きますので、読みながら一緒に合わせる料理を考えてみましょう。
テイスティング
グラスに注ぐと、ほんのり紫がかった深みのあるルビー色。濃すぎず、澄んだ輝きが印象的です。
香りはとても豊かで、赤や黒の果実が混ざり合うようなフルーティーさに、熟したプラムのニュアンス。さらに、ほんのりストロベリーミルクチョコレートのような甘やかさがふんわりと全体を包み込みます。ボルドーの赤によくある青っぽさはほとんど感じられません。
口当たりはなめらかで、果実のふくよかな甘みと心地よいアルコールのボリューム感。タンニンはしっかり感じられますが、粒子が細かく、スッと溶けていくような上品さがあります。
時間が経つにつれて、わずかに鉄を思わせるミネラル感がじんわり広がり、余韻にはコーヒーのようなほろ苦さや、乾いた土を思わせるニュアンスが重なり合います。華やかな香りとは対照的に、しっかりと重心のある味わいで、熟した果実の味わいとともに、奥行きのある風味が続くのが魅力です。
熟した印象とともに、全体にきれいな酸が通っていて、バランスの取れた仕上がり。自然派ボルドーということで少しワイルドな印象を想像していましたが、意外にも洗練された造り。香りも味わいも層が厚く、ワイン好きの方がじっくり楽しめる一本ですね!
合わせる料理
・・・どうですか?美味しい自然派ボルドー、ラン・クロ 2022に合わせる料理は決まりましたか?
私が合わせてみようと思った料理はこちらです。
「鴨すき」
作り方:酒、みりん、醤油を煮切って割り下を用意。さかがきに切ったごぼうに、焼き豆腐、焼きネギを軽く煮詰めたら、その上で鴨肉をさっと煮ます。
今回の組み合わせのポイント
- 甘み:割下や溶け出した野菜の甘み、鴨の脂身の甘みが、メルロ由来の凝縮した赤系果実の甘みと調和。
- ミネラル感:ボルドーのテロワールが生み出す鉄分や土っぽさが、鴨の持つ野性味と響き合う。
- 重心のある味わい:舌に染み込むような赤ワインの旨味が、出汁の奥深いコクと絡み合う。
ワインと料理のペアリングでは、共通する要素を見つけることが大切!
このように、ワインと料理の調和するポイントを意識すると、ペアリングの成功率がぐっと上がりますし、食べるときの楽しさも増します!
今回の「鴨すき」は、タレのコクがワインの酸を優しく包み込み、一口ごとに味の変化が楽しめる、奥行きのあるマリアージュになりました。とても美味しかったですよ。もう少しワイルドさのあるワイン、例えばローヌの赤ワインなどにも合いそうです。最近は鴨肉もスーパーで見かけますので、是非是非、お試しあれ。
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡