こんにちは、ラ・ヴィネ 店長の阿保です。
今年もフランス出張の季節となりました。今回は4月トップバッターとして、私が生産者訪問を実施します。
今回は、フランスに早朝6時前に到着するエールフランスの深夜便利用です。
これを利用すると気合が入っていれば、初日からしっかりと生産者訪問が可能ですから、ちょっと訪問しにくいところにも行ってみようと思えるところが嬉しいところでしょうか。
早速到着して直ぐにシャルル・ド・ゴールでレンタカーを手配です。
今回の車はこちら、ルノーのちょっと新しい車でした。
昨夜のエールフランスの機材トラブルでの一時間遅延の影響で、朝のラッシュアワーに少しかかってしまい、若干の渋滞になるパリ環状線を抜けるのに結構時間かかっちゃいましたが、環状線を抜けると本当に閑散としたオートルートを下ります。
最初の訪問地は、ジャンヌ・ダルクで有名なオルレアンです。
河や海で、船を利用した輸送が主要だった時代である中世、この地は、上流のオーヴェルニュ地方からロワール河を船で下るだけという条件の良さもあり、上質な水や燃料となる木材、そしてワインが沢山輸送され、パリへ送られる荷下ろし場として栄えた歴史ある場所でもあります。
そんなオルレアンの町の南西部にブドウ栽培されるエリアがあることは、プロのソムリエもあまりご存じないのではないでしょうか。
ラ・ヴィネらしく、またマニアックな産地のワインだと言われそうですが、長年に亘ってご紹介しているこの地のワインはなかなかの品質、そして近年の温暖化がとても良い方向に出ていると実感できるような美味しいワインが見つかります。
CLOS SAINT AVIT
早速朝一番で訪問する蔵元は以前数度取り扱ったことのある蔵元で、訪問は実に12年ぶりです。パスカル・ジャヴォーさんは、相変わらず柔和で話しやすいお人柄。
作柄もばっちりで予想通りの美味しさに嬉しくなります。シャルドネの白、そしてピノ・ムニエを主体に仕込まれるロゼ&赤ワインは、まさしくAOCオルレアンとして必要不可欠なキャラクターを発揮してくれる優れものです。
とは言え、最近の温暖化により、早熟なピノ・ムニエよりも、より市場性の高いピノ・ノワールの作付面積を増やす生産者も多いのだとか・・・
帰ろうかと思ったら、久しぶりのパスカルさんも畑仕事から帰ってきてくれて10年ぶりの再会です。
オルレアンからまっすぐ南に向かうと、サンセールやメネトゥ・サロン、プイィ・フュメなど、ラ・ヴィネでも人気の高い銘醸が連なっていますが、今回はすべてパスして、更に南進、2時間ほど進んだ先は、これまた日本では殆ど見ないワインの産地サン・プルサンです。
第二次世界大戦下で発足したヴィシー政権、更に古く中世には多くの王族も立ち寄る温泉として国内外に知られた場所。そして近年ではスパやエステ関係の方の方が知名度が高いのでは?というヴィシー近郊のワイン産地です。
今回はこちらで2件の蔵元を訪問します。
DOMAINE GARDIEN
まずは、こちらも10年以上前に何度か仕入れた実績のある蔵元ドメーヌ・ガルディアンです。昨年5月の出張の際に、ブルゴーニュから南西地方のトゥールーズへ車で移動する際に、オーヴェルニュ地方で立ち寄ったオートルートのサービスエリアの売店で特別販売されていたのを見かけて、来年は行かないと!そう思っての一年後です。
ちょうど作柄にも恵まれた2022年、2023年ということもあり、満足度抜群です。
シャルドネとトルサリエをブレンドしたその味わいがとっても魅力的です。
FAMILLE LAURENT
2件目は奥様のコリーヌさんがワイン造りを行っているファミーユ・ローランです。
先のドメーヌ・ガルディアンが、とてもリーズナブルで美味しいのに対して、こちらはサン・プルサンでも少し高めですが、より高級感のある美味しさが特徴です。
こちらでは、珍しくブルゴーニュのように樽からいろいろな原酒を飲ませてもらいました。もちろん興味深いトルサリエ100%の白(単一での製品化はありません!)、そしてシャルドネはテロワール違い、また樽の年季(新樽、一年樽、2年樽)、そしてアメリカンオーク等、そのバリエーションをそれぞれ味わいましたが、とても興味深く、そして美味しい!
ちょっとマニアックな樽試飲からの完成品の試飲もとても興味深い美味しさでした
今日の宿泊先は、やっぱりヴィシーにしました。温泉有名な街並みですが、今日は少し閑散としていましたし、繁忙期へ向けての工事も多く、のんびりとした印象です。
今日は適当なレストランで、地元サン・プルサンの白ワインで食事でした。
今日は初日から、レンタカーでの移動が約550kmでした。
明日は更に南下して、オーヴェルニュ地方の中心部、クレルモン・フェラン近郊の生産者訪問を行う予定です。 それではまた明日!