ジャン・フィリップ・フィシェ　リュリー・ブラン 2022

かのコシュ・デュリの甥にあたり、コシュ・デュリ同様ムルソーに本拠を置く次世代ムルソーの牽引者。ワイン造りの歴史は祖父の代よりスタート。分益耕作でドメーヌの基となるワイナリーを設立。造ったワインをネゴシアンへ売却する父と意見を相違し、自身でドメーヌを興したフィシェ氏ですが、造りは父より教わった伝統的なスタイルを継承しています。畑はボワイヨ家との分益耕作を父より引継ぎ、その後、分益耕作を順調に追加していきますが1991年には殆どの契約が切れてしまいました。しかし氏の情熱は衰えず、92年にはモンテリーやムルソーに2haの畑を入手。その後着実に畑を取得し、父の引退と共にピュリニー・モンラッシェ、ムルソー、ACブルゴーニュの区画も得ました。81年に21歳の若さで独立したフィシェ氏ですが、現在では新しい醸造所も造り、更なる品質向上に努めています。シュール・リー状態で長期間熟成させ、厚みのある酒質にミネラルや酸が綺麗出るスタイル。ムルソーのテロワールをきっちりと表現したスタイルを身上としています。
コート・ドールの古樹から選抜した苗木が植えられており、収量が抑えられています。香りも味わいもデリケートなスタイルの白ワインで、優雅さや繊細さをまとい、テロワールを見事に体現。白い花や火打ち石のニュアンス、極めてエレガントなアロマが広がります。熟した果実の風味とフレッシュさが見事に調和しており、バランスに優れた味わいが広がります。発酵・熟成ともに樽で行われる非常に上質なワインで、10年ほど熟成させることも可能。