今年最後の投稿となる今週は、買い付け2日目(4月13日)のブルゴーニュ。この日はコート・ドールを中心に日本でも特に人気の高い蔵元を多く巡りました。

シャブリを出発して最初の目的地であるオークセイへ向かう高速道路でまさかの事故による大渋滞。かなり余裕をもって出発したつもりでしたが、予定よりも15分強遅れて到着の到着。それでも「フランスではこれくらいは遅刻にならないよ」と温かく迎え入れてくれた最初の訪問はこちら。

こちらは昨年秋にも恵比寿店の下山ソムリエが訪問し、今回私も訪問させてもらったオークセイ・デュレス(フランスではオークセイは通じず、オセ・デュレスでした)の蔵元、プリュニエ・ダミー。

オークセイの老舗家系であるプリュニエ家のひとつであり、上記写真の現当主ジャスティーヌ女史を中心とした女性チームでワイン造りを行っています。

ジュスティーヌさんとボーヌでランチの後。午後一番の訪問となったのは今やラ・ヴィネのみならず、全国区で人気の高いベルトー・ジェルベへ。

フィサン村でも100年以上の歴史があり、現当主を務めるアメリーさんに代替わりしてからさらに評価が高まった蔵元。コンクリートタンクで優しく抽出を行い、テロワールがしっかり反映された優しいスタイル。

2016年からはパートナーであり、某有名ドメーヌでも栽培を行っていたニコラ・フォールさんが加わり、さらにその品質に磨きがかかっています。訪問時は蔵も絶賛拡張中で、今後新しい取り組みも行っていくとの情報も入手。

アメリーさんは第2子を出産したばかりだったそうですが、既に醸造は行っており、エネルギッシュながら柔らかく穏やかな印象は、まさしく彼女たちが作り出すワインの味わいそのものでした。

この蔵でも21年は難しいヴィンテージだったそうですが、ここ数年続いた暑い(暑すぎると言っていました)年とは違い、赤は非常にクラシカルで、アメリーさん曰く「きれいな酸のある古き良きブルゴーニュを思わせる年となり、個人的には好きな年」とのこと。

テイスティングでは貴重なプティ・モンや特級まで試飲させてもらいましたが、それらはもちろん、やはり本拠地のフィサンのものは特に傑出した出来栄えでした。

名残惜しくもベルトーさんに別れを告げ、続けてフィサンからジュヴレ・シャンベルタンへ。次の訪問先は今後ますます期待の高まるピエール・ネイジョン。

この蔵は2018年から新体制でワイン造りを行っており、写真の現在醸造を担当するジュリアンは、巨匠フランソワ・ミエの次男。非常に明るく快活で知的でロジカルな方で、この出張で最も聞きやすいフランス語でしたw。ここを始める前はブルーノ・クラヴリエでも修行していたそうで、今後栽培や醸造など、色々と新しい挑戦をしてくとこのことで、今後ますます期待大の注目ドメーヌです!

この日最後の訪問となったのは、ラ・ヴィネでも長らくお付き合いのある、ボーヌ南東のサント・マリー・ラ・ブランシュ村に本拠地を置くジョエル・レミー。

コート・ドールの広範囲に自社畑を所有しており、多くのリューディをリリースしています。

当主のジョエルさんはとても気さくで、何がみたい?何を知りたい?何が飲みたい?と大歓待でした。ショレイ・レ・ボーヌに所有するボーモンなどは樹齢も古い樹が植わっており、厚みのある複雑甘美な仕上りで、マイナー産地ですがこういう銘酒を売っていけたらなと思いました。

また、ジョエルさんが手掛けるクレマン・ド・ブルゴーニュもレベルが高く、息子さんは畑の周辺でカシスを栽培してクレーム・ド・カシスを生産しているなど、勢いのある印象でした。

この日の訪問が終わり、日の暮れるまで、時間の許す限りドライバーさんにお願いして銘醸畑を実際に目の当たりにしてきました。ラヴォー渓谷など、自らその渓谷の風を受けると感動しますね。

そして最後はやはりこの十字架へ。時期もあるのか、私以外に人がおらず、目の前に広がる銘醸区画に感激しっぱなしの銘醸地巡礼でした!

ブルゴーニュはレストランを予約せず、宿泊先のボーヌでオスピス近くのビストロへ。ふらっと入ったビストロでも非常にクオリティの高い料理と、日本では考えられないブルゴーニュワインの安さ。

たまたま見つけたこのビストロが価格・味わい・接客とどれも素晴らしく、ブルゴーニュの3日間は毎日このビストロで夕食を取りました。

次回は来年。それでは、Bonne année!

恵比寿ワインマートスタッフ