昨日に引き続き今日もシャンパーニュを周ります。
本日はランスからエペルネまでラ・ヴィネでも看板商品として販売している既存の蔵元へ。

それでは早速二日目スタート。

【TAITTINGER】

本日一軒目の訪問先はこのブログをご覧になっている方なら誰もがご存じの大手メゾン【TAITTINGER】。

サッポロビール社が国内正規輸入元ということもあり、
そのお膝元でもあるラ・ヴィネ、ワイン・マーケット・パーティー共にエントリーレンジから希少キュヴェまで数多く取り扱っています。

シャンパーニュ・テタンジェは1932年、パリで有名な政治家「ピエール・シャルル・テタンジェ」が義兄のポールと共に「マルケットリー城」を購入したことに端を発します。

マルケットリー城(引用画像)


テタンジェ社の功績も兼ねて城は隅々まで手入れが行き届き、2015年にはシャンパーニュの文化的景観としてユネスコ世界遺産にも登録。
登録地域にあるサン・ニケーズ大修道院跡地に所有するテタンジェ社の広大な地下カーヴもその一助を担います。

今回マルケットリー城の訪問は叶いませんでしたが、拠点となるサン・ニケーズのメゾン・テタンジェへ訪問。

模型全体像


レセプションで予約と告げると待ち受けていたのは事務方トップのJEAN PIERRE REDONT氏が!!
そのままアテンドに付いて貰い、朝一の訪問なのに続々と入ってくる観光客を横目にツアーがスタート。
テタンジェ紹介ムービーも他のお客様が待っている中広いシアタールームに先に通され私と中野さんの2人だけという何とも贅沢な鑑賞。

日本語で流れるので観光での訪問も安心。

続いて地下カーヴ(石切り場跡)へ。

どこまで続く螺旋階段。なんとも雰囲気があります。

広大な地下カーヴ。

ツアーの他の観光客とは全く遭遇しない優先ルートを通るなど、
なんともVIP待遇な対応に「これが大手メゾンか!!」と終始圧倒されっぱなしのテタンジェ訪問。

両サイドのピュピトルに刺さっているのはトップキュヴェのコント・ド・シャンパーニュ。
地上に戻り豪華な応接室でテイスティング。

世界中から注文が殺到し、潤沢な在庫を保有しているテタンジェ社の在庫が無くなる?のも頷ける?のか?

とはいえ懐の深さや圧巻のカーヴを目の当たりにするとやはり悠然たる大手メゾン。
困ったときの大手メゾン。
安心の大手メゾン。
いつもありがとうございます。

最後にTAITTINGERロゴのある駐車場で一枚。

【CHANPAGNE BOUCHE P&F】

お昼休憩と車の給油を挟みまして次に向かう先はエペルネの南西部にありますピエリ―村。
こちらで約1世紀に渡り連綿と受け継がれる老舗の蔵元【CHANPAGNE BOUCHE P&F】。

ラ・ヴィネとも長年取引のある信頼の蔵元で、特別な蔵元。
どのキュヴェも最低4年以上瓶熟させないと世に出さない徹底ぶりで、
蔵のエントリーレンジでも必ず特級のブドウを混ぜ、リザーヴワインの使用量も20%を超えるなどラ・ヴィネにご来店下さるお客様の心を掴んで離さない上質な味わい。
さらに価格が現行市場のイメージと比べめちゃめちゃ現実的なのもとても魅力的。

到着して入口に入るところで当主のNICOLAS氏がお出迎え。
めちゃ歓待!
嬉しい!

「さあこっちだ!」と階段を上がって案内されたのは広々とした20人くらいでパーティーが出来そうなテイスティングルーム。もちろん洗練された造り。そこにドライバーの中野さんと私二人。
ほどなくしてNICOLAS現れ蔵の紹介からスタート。

美しく管理された蔵内。

味わいは折り紙付き。

最後はNICOLAS氏と駐車場にあるBOUCHEのマークの前で。一緒に移っている女性は今日から働き始めるスタッフとのこと。楽しそうで羨ましい

手に持っているのは新作キュヴェの『EXPERTISE 7』!
こちらは当主NICOLAS氏が満を持してリリースした【7年の瓶内熟成】【7つの最高区画】【7種類の原酒】で造られる、ブレンドと熟成とストックからなるスペシャルキュヴェ。
こちらはあと少しだけ店舗に在庫があるので気になる方は是非店頭まで。

蔵の裏手にある『CLOS』も後2~3年でリリースだとか。以後情報統制…

【CHAMPAGNE BONNAIRE】

続いて少し南下してクラマン村まで。
ここでは虎ノ門店の平間店長や恵比寿店の下山ソムリエなどラ・ヴィネのスタッフが何度も足を運ぶとても大切な蔵元『CHAMPAGNE BONNAIRE』へ訪問。

1932年創業とこちらも約1世紀の歴史を持つ老舗。
クラマン村きっての名RMで秀逸なシャルドネを中心に生産。ストックの本数も約80万本!年産約20万本とかなりの量。
(Cramant,Cuis,Bergères-Les-Vertus,Fossoy,Oiryなどに合計28ha所有、内6ha貸出)
リリースする50%は国外のインポーターに囲われ、残りの50%は自国のレストランや懇意にしている顧客に直行という量はあるのに全然入手できない貴重な蔵元。
なので日本ではマイナー生産者。。。

同一経営で『PAUL COULET』という蔵も運営しており、
こちらはブジィ村で有名なあの『ANDRE CLOUET』の妹方がその昔にBONNAIREの当主と結婚し、
CLOUET家から分割されたブジィ村の最上区画を中心に展開する小規模RM。
(Bouzy3.2ha,Chouilly1.8ha,他Aubeに1ha)

BONNAIRE → シャルドネ。
PAUL CLOUET → ピノ・ノワール。
という構図で両蔵はそれぞれの品種のスペシャリストであり、且つ親族。
最強ですね。

新しく新設中(まもなく完成?)のテイスティングルーを横目にさっそく蔵内部に潜入。

清潔で完璧に管理された設備。掃除も念入り。

お!セガンモロー!
そういえばBONNAIREもPAUL CLOUETもブショネって当たったことないなと思ったらこんな大企業の樽つかってたんですね。
TCAリスクやコルク臭などに科学的なアプローチで結果に反映させる優秀な樽業者さん。
益々印象↑↑です!!

テイスティングルームへ移動。

昼下がり。日の光で部屋全体がほのぼのとした明るい雰囲気の中ストイックに試飲。

画像からも分かる通り右から3番目『CRAMANT VINTAGE 2015』ですがボトル瓶口が他のボトルと比較して明らかにゴツっとしてます。
これは最近流行りのDIAMや王冠でない天然のコルク栓で打栓されている証拠。
酸素透過率の関係で熟成の進行度合が他の栓と違い、味わいにも大きく影響を与える重要な要素の一つです。

その他特に秀逸なのはロゼ。
BONNAIREの誇るクラマンのシャルドネをベースにPAUL CLOULETの作るブジィ産ピノ・ノワールのコトー・シャンプノワを12%混ぜ込み作り上げられる逸品。
上述の通り各々品種のスペシャリストな上にブレンドの妙も冴えわたり、
チャーミングな果実感の中に荘厳なミネラルを携える上質な出来栄え。
次回入荷が待ち遠しいです!

今回は当主のお二方には会えずでしたが別でアテンドしていただいた広報担当のPIERREさんとがっちり交流し(この方の英語めちゃ聞き取り易い)、
次のアポイント先へ。

【CHAMPAGNE SAINT-REOL】

少し休憩を入れつつ車で北東AMBONNAYへ。

コロナ明けラ・ヴィネ出張解禁の二日目。
本日最後の訪問先『CHAMPAGNE SAINT-REOL』へ。

途中ボトル製造工場やMOETの門を見つけてはしゃぎながら向かったりしながら…

MOET & CHANDON。AMBONNAYに向かう道中にある広大な区画の正面門?

ボトル製造工場。

いずれ生産者へ納品されるであろうボトル達。

まさかの道を間違えだいぶ遅れて到着。
馴れって怖い。
すみません。

到着して入口の戸を開こうとしたらガチャッ!
え、カギカカッテル…

そんな一瞬の絶望はすぐさま笑顔を覗かせたコマーシャルディレクターのクロードさんによって払拭されました!
こちらもめちゃめちゃ歓待!

「遅れてすみません!」と謝罪したら「全然大丈夫だ!!むしろ遅れてなんかいない!よく来てくれた!!」
ありがとうございます…ナンテイイヒト。シャンパーニュダイスキ。
話しながら中に招き入れられ、気付くと夕刻の陽光をたっぷりと取り込む明るく広々としたテイスティングルームに。

『CHAMPAGNE SAINT-REOL』は1962年に特級AMBONNAY村で創業した協同組合(CM→Coopertative de Manipulant:コーペラティヴ・ド・マニピュラシオン)。
初めは58軒の生産者がタッグを組み設立したこちらは現在ゆうに200軒超え、
傘下で働く従業員数は現在2000人を上回るマンモス組合。
要衝を担うブドウは基本AMBONAY村からですが、
供給先のそのほとんどが特級の村を中心としたもので、
調達するシャルドネもそれに追随します。
(PN:AMBONNAY,BOUZY,AYがメイン)
(CH:OGER,MESNIL-SUR-OGER,AVIZE,CRAMANT)

圧倒的クオリティー+圧倒的質量。
さらにSAINT-REOLの名義でリリースしているものは集められたブドウの最も品質の良いものを詰めるという徹底したフィロソフィー。
そして2022年で創立60周年!!おめでとうございます!

蔵見学の前にまずはテイスティングからとのことで、
クロードさんが自信満々に持ってきたのは全7種。

正直全て信じられないくらいレベルが高い。お世辞抜きで。
DECANTERですべてのキュヴェが90点オーバーなのも頷けます。

パリ国立美術工芸学校の専用シャンパンも手掛けていたり、
最近ではPatrouille De France(フランス空軍アクロバットチーム)とのコラボレーションボトルをリリースしたりなど、
商売っ気が頗る前向きでビジネス的にも好印象!!
もうたまりませんね!!!

本日訪問最後ということもあり、テイスティング含め少し飲み込んでしまっていたのですが、
まさかのクロードさんも飲んでいたらしく二人で何故か和やかムードw
(浦沢直樹さんの漫画に出てくるちょっと小太りな頬っぺた赤いおじさんみたい)

撮影沢山して本日終了。

今日も中々濃い一日でした。
お疲れ様でした!

 

恵比寿ワインマートスタッフ