シャトー・コス・デストゥルネル　ジェ・デストゥルネル 2020 メドック

ジェ・デストゥルネル 2020 メドック メドック格付け2級ながら、常に1級シャトーに迫るほどの評価を得ているコス・デストゥルネル。パゴダ調のシャトーが印象的なサン･テステフ村の名門で、優れたワインを生み出し続けています。こちらはコス･デストゥルネルと同じ醸造チームが、メドック北部の葡萄を使用して造るカジュアルレンジのキュヴェ。元々グレ・バイ・コス・デストゥルネルという名称でリリースしていましたが、2019年VTよりこちらの名称に変更されました。熟度の高い豊かな果実味と凝縮感のあるストラクチャーで、どこかオリエンタルな印象を受けるスパイスの風味が本家コスを思わせる完成度の高い仕上りです。
【担当ソムリエによるコメント】
ワインエキスパートの資格にチャレンジしてみようかな、などワインを少しでも勉強したことのある方なら一度は耳にしたことのある名前じゃないでしょうか、『シャトー・コス・デストゥルネル』。仏ボルドー地方の銘醸エリア、メドック地区サン・テステフ村のトップシャトーで、1855年に定められた伝統の格付ではあの5大シャトーに次ぐ「特2級」に選ばれた実力派の生産者です…これが、まず前提。

そして今回このワインを選んだのは、『コス』の生産者2人が当店のために来日し様々なイベントを実施してくれる…というのもありますが、単にこのシャトーが僕個人の「推し」だから、です。

だって、こんな「異形のシャトー」はどこを探しても他にありません。　
オーナーがインドとの商売で成功したからとシャトーに仏教風建築＝パゴダ（仏塔）を立てたり、敷地内にやたらと象のオブジェを置いたり。セラーなんか、まるでインドの密教寺院にしか見えません。。。
クラシカル且つ王道なフランスを代表するワイン産地ボルドーに、こんな傾奇者がいるというのだから、そりゃあ応援したくもなります。しかも、それでいて5大シャトーに勝るとも劣らない実力派なんですから痛快じゃないですか。

そしてその『コス』が、取っつきにくいと勘違いされがちな自分たちの個性を少しでもお手軽に体験して欲しいとリリースしたのがこの『Gデストゥルネル』。ボルドーの古典的なボトルシェイプを敢えて選び、そこに詰め込んだメルロ90%＋カベルネ10%のまさにコス・スタイルです。果実の充実感と凝縮度はたっぷりに、3−4年目のフレッシュな段階から美味しく楽しめるように適度な酸を配置、そして柔らか丁寧に抽出されたタンニンの素晴らしいバランス。

長年このシャトーを推している僕が言うので信用して頂きたいですが…
本当に、よくできています。おいしい！

おススメの抜栓時間は、飲み始める1時間前程度を目安に。料理は幅広く合わせやすいですよ。まだまだ果実のフレッシュ感たっぷりの2020年ですので、鮪・鰹など赤身のお魚料理（刺身、いけます！少し甘めの出汁醤油・たまり醤油などおすすめ）も良いですし、甘辛味の照り焼き、トマト系の煮込み料理などもおすすめ。『コス』のオリエンタルな雰囲気に合わせて、中華料理もぴったり！オイスターソース炒め、酢豚などとも是非試してみてください。まだまだ色々ご紹介したくなるくらいの使い勝手の良さ、そう、繊細過ぎないのがいいんですよ。ダイナミックに色々なペアリングを楽しめそうな1本でした！

テイスティングコメント担当：YEBISU WINEMART ONLINE ソムリエ 五十嵐 祐介