「このブドウは森で収穫してます。ハシゴを使って」
ワイナリーでそんなセリフを聞いたら、耳を疑ってしまいますよね。
美しく整列したブドウ畑……ではなく、その脇にある鬱蒼とした森の中。木々にツルを巻き付けて、自然のままに、逞しく育ったブドウの木。
もちろん収穫はすべて手摘み。品種はチリの地ブドウ、パイスです。
今回ご紹介するワイン
グラスに注ぐと淡めの色調。まず飛び込んでくるのはイチゴやチェリーといった、赤系果実のフレッシュな香り。イチゴキャンディのようなチャーミングなニュアンスと、ローズヒップティーを思わせる上品な香りが重なります。ワイルドなブドウの生い立ちからは想像できない「親しみやすさ」に、またも驚いてしまいます。
口当たりは、まるでピノ・ノワールやガメイの軽やかなスタイル。ピュアで繊細な印象です。ただ、サラサラと軽いだけで終わらないのが、このワインの面白いところ。
飲み進めるうちに中盤から、どこか素朴で、少し引き締まったタンニンが顔を出します。キュッと瑞々しく、トーンの高い酸味、そして余韻として長く続く、かすかな苦味。澄んだ果実味の奥に、生命力を感じさせるバランスが、このワインならではの魅力です。
このワインに合う料理
ゴーヤーチャンプルー
レシピ
材料(3人分)
・ゴーヤー:1本(5mmにスライス)
・豚バラ肉:200g(食べやすくカット)
・木綿豆腐:1丁(しっかり水切りしてカット)
・卵:2個
・ごま油:適量
・塩・醤油:各適量
・鰹節:お好みの量
作り方:
フライパンにごま油を熱し、水切りした木綿豆腐を焼き色がつくまで炒め、一旦取り出す。
同じフライパンで豚バラ肉、ゴーヤーを炒め合わせ、全体に火が通ったら塩をふる。
豆腐を戻して、溶き卵を流し入れる。大きく混ぜて好みの固さになったら、鍋肌から醤油を回し入れて香ばしく仕上げる。
皿に盛り付け、たっぷりの鰹節をかけて召し上がれ。

ペアリングポイント
赤ワインにゴーヤーチャンプルー? と思われるかもしれませんが、これが意外とイケる。違った個性なのに、自然に馴染む組み合わせです。
ジューシーな豚バラ肉の脂感をワインの爽やかな酸が心地よく洗い流し、卵と鰹節の旨味が、ワインと料理を繋ぐ絶妙な「橋渡し役」となってくれます。そして何より、ゴーヤーが持つ独特の苦味と、パイスの余韻にある軽い苦味が綺麗に共鳴し合い、なんともクセになる味わいを生み出します。
土地に根ざした赤ワインとローカルフードが、お互いの個性を認めて響き合う。そんな面白い組み合わせを、ぜひご自宅で体験してみてください。





